社会保険料の決定方法
健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・児童手当拠出金の決定方法は次の通りです。
★ 毎月の賃金に係る社会保険料の決定方法は、次の計算式で決定します。
標準報酬月額(注)×保険料率
(注)標準報酬月額とは、月給が例えば、290,000万円以上310,000円未満の場合、300,000円に固定する、その固定された報酬のことをいいます。
@被保険者の資格を取得した時、標準報酬月額を決定し、保険料を算出します。(資格取得時決定)
イ 月給者の場合は、まず、標準報酬月額を決めます。
ロ これには、諸手当込みの月給、残業がある場合は残業代の見込み額、通勤交通費を合計します。
ハ この合計額を対象期間の暦日数で割り、30をかけます。
ニ この額を健康保険料額表に当てはめ、標準報酬月額を決定します。
ホ たとえば、上記のハの金額が295,000円なら「健康保険料額表」から、標準報酬月額は300,000円と決定されます。
へ 健康保険料(介護保険料)の計算方法
T介護保険第2号被保険者(40歳以上65歳未満の者)
300,000円×9.43/100=28,290円
事業主負担分 28,290円÷2=14,145円
被保険者負担分 28,290円÷2=14,145円
U介護保険第2号被保険者以外の者(20歳以上40歳未満の者)
300,000円×8.2/100=24,600円
事業主負担分 24,600円÷2=12,300円
被保険者負担分 24,600円÷2=12,300円
(注1)政府管掌健康保険の保険料率は、平成18年4月1日現在、8.2/100です。
(注2)政府管掌介護保険の保険料率は、平成18年4月1日現在、1.23/100です。
ト 上記のハの金額が295,000円なら「厚生年金保険料額表」から、標準報酬月額は300,000円と決定されます。
チ 厚生年金保険料の計算方法
300,000円×14.288/100=42,864円
事業主負担分 42,864円÷2=21,432円
被保険者負担分 42,864円÷2=21,432円
(注3)厚生年金保険の保険料率は、平成18年4月1日現在、14.288/100です。また、毎年9月に0.354/100ずつ引上げられ、最終的に平成29年9月に18.3/100となることが決定しています。
リ 児童手当拠出金の計算方法
事業主負担分 300,000円×1.3/1000=390円
(注4)児童手当拠出金の料率は、平成19年4月1日現在、1.3/1000です。
(注5)児童手当拠出金は、全額事業主の負担となります。
ヌ この事例の場合、健康保険料(介護保険料を含む)14,145円、厚生年金保険料21,432円を毎月、従業員の給料より控除し、事業主負担分(児童手当拠出金を含む)とあわせて、毎月月末に社会保険事務所に納入します。(実際は銀行口座からの引き落とし)
ル この毎月納入する社会保険料は、原則として、残業代等の変動給に大幅な変動があっても次に説明する定時決定で変更されるまで、同額を納入します。
A毎年7月1日現在で標準報酬月額を決定し、保険料を算出します。(定時決定)
ア 定時決定での標準報酬月額の決定方法
7月1日前3か月間の報酬月額(諸手当、残業代、通勤交通費を含みます)を3で割り、1ヶ月平均の報酬額を求めます。この報酬額を健康保険料額表、厚生年金保険料額表に当てはめ、標準報酬月額を決定します。
【事例】
ある従業員の4月の賃金が282,000円、5月の賃金が276,000円、6月の賃金が294,000円であった場合、この従業員の標準報酬月額は、次の様に求められます。
(282,000円+276,000円+294,000円)÷3=284,000円
従って、健康保険料額表・厚生年金保険料額表よりこの従業員の標準報酬月額は、280,000円となります。
イ 社会保険料の計算方法
上記@と同様、標準報酬月額×保険料率で、保険料を算出します。
ロ 定時決定で決定された社会保険料は、原則として、その年の9月から翌年の8月まで適用されます。
B賃金が上下した場合、社会保険料が変更される場合があります。(随時改定)
ア 定時決定により決定された標準報酬月額は、原則として、次の定時決定まで変更されませんが、この原則を貫くと大幅な賃金のアップやダウンがあった場合、標準報酬月額と実際の賃金が大きく乖離し、保険料負担の問題や保険給付の点で問題が生じます。これを実態に合わせ、標準報酬月額を変更することを随時改定と言います。
イ 随時改定の要件
随時改定は次の要件を全て満たす場合に行われます。
@ 昇(降)給など固定的賃金の変動があったとき
A 固定的賃金(基本給等)の変動月以後、継続した3か月間に受けた賃金の平均月額によって算定した標準報酬月額の等級と現在の等級との間に2等級以上の差が生じたこと
B 3か月とも報酬支払基礎日数が20日(平成18年7月以降は17日)以上であること
ウ 随時改定による標準報酬月額の決定方法
被保険者の継続した3ヶ月間に受けた賃金の総額を3で割った額が新しい標準報酬月額となります。
エ 社会保険料の計算方法
上記ウで決定された標準報酬月額をもとに新しい保険料が算出され、随時改定対象月の最終月の翌月から次回の定時決定で標準報酬月額が変更されるまで適用されます。
C育児休業等から復帰した者には特例が認められています。(育児休業等終了時改定)
ア 育児休業等を終了し、職場に復帰した場合、申し出をすれば、復帰後の報酬額によって標準報酬月額を改定することが出来ます。育児休業等終了時改定は、育児休業等を終了し時間短縮等で働いた場合で 随時改定の要件に達しない場合(20日以上連続3ヶ月の要件に達しない場合)標準報酬が改定出来ないので安い賃金で高い保険料負担の是正が目的です。
イ 育児休業等終了時改定の要件
・育児休業等終了日において三歳に満たない子を養育する場合
・事業主を経由して社会保険庁長官(健康保険法の場合保険者)に申出ること
ウ 標準報酬月額の決定方法
育児休業等終了日の翌日が属する月の以後3ヶ月間で 定時決定の手法により標準報酬月額の決定を行います。
エ 社会保険料の計算方法
上記ウで決定された標準報酬月額をもとに新しい保険料が算出され、育児休業等終了時改定対象月の最終月の翌月から次回の定時決定で標準報酬月額が変更されるまで適用されます。
★ 賞与に係る社会保険料の決定方法
賞与に係る社会保険料の決定方法は、次の計算式で決定します。
標準賞与額(注)×保険料率
(注)標準賞与額とは、実際に支給された賞与の1,000円未満を切り捨てた金額です。
【事例】
ある従業員の7月の賞与の額が656,500円(標準賞与額656,000円)であった場合の健康保険料(介護保険料を含みます)
は次のように計算されます。
656,000円×9.43/100=61,860円
事業主負担分 61,860円÷2=30,930円
被保険者負担分 61,860円÷2=30,930円
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