健康保険
(1)健康保険とは
健康保険は、会社員及び事業主が保険料を負担し、会社員やその家族に病気・ケガ・出産・死亡などの保険事故が発生した場合に医療サービスや現金給付を行い、生活の安定と福祉の向上を図る目的で作られた社会保険制度です。
(2)2種類の保険者
保険事業の運営主体となり、保険料の徴収及び保険給付を行うものを「保険者」と言いますが、健康保険の場合、政府が保険者となる「政府管掌健康保険」(政管健保)と健康保険組合が保険者となる「組合管掌健康保険」(組合健保)の2つの形態があり、会社員はいずれかの健康保険に加入することとなります(注)。
組合管掌健康保険は、一般的に大企業の社員が加入者となっていることが多く、保険給付も政府管掌健康保険より手厚い場合が多いです。また、同業者が集まり健康保険組合を組織し、組合管掌健康保険を運営している場合があります。
政府管掌健康保険は、健康保険組合の組合員以外が加入し、中小企業で働く会社員が加入するのが一般的です。このサイトでは、政府管掌健康保険に関し記述していきます。
(注)法人の事業所で働く会社員は、必ず健康保険に加入しなければなりません。また、個人経営の事業所で常時5人以上の従業員がいる場合も必ず健康保険に加入しなければなりません。但し、@農林水産業、Aサービス業(旅館、飲食店、接客業、理容業等)、B自由業、C宗教等を営む個人経営の事業所の場合は、常時5人以上の従業員がいる場合でも健康保険に加入する必要はありません。この場合は、国民健康保険に加入する必要があります。
(3)加入者
健康保険の加入者には被保険者と被扶養者があります。
被保険者とは、保険料を負担し、保険事故が発生した場合保険給付を受ける権利を有するものです。会社員本人を指します。
これに対して、被保険者の妻や子供等で一定の条件を満たすものを被扶養者といい、被扶養者に対しても保険事故が発生した場合、保険給付が行われます。
被扶養者は、被保険者が得てくる収入によって生活している者で、被保険者と一定の家族関係にあることが必要です。
また、被扶養者に収入がある場合は、年間収入が130万円未満で、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満であることが必要です。
(4)保険給付
| 保険事故 | 被保険者に対する給付 | 被扶養者に対する給付 |
| 病気・死亡 | 療養の給付 | 家族療養費 |
| 入院時食療養費 | ||
| 特定療養費 | ||
| 療養費 | ||
| 訪問看護療養費 | 家族訪問看護療養費 | |
| 移送費 | 家族移送費 | |
| 傷病手当金 | ー | |
| 死亡 | 埋葬料(埋葬費) | 家族埋葬料 |
| 出産 | 出産育児一時金 | 家族出産育児一時金 |
| 出産手当金 | ー |
@ 療養の給付
業務外の事由による病気・ケガに対し行われる診察、薬剤の支給、手術等の現物給付のことを療養の給付と言います。健康保険では、療養の給付を受けるときは、その都度、療養に要した費用の一部を一部負担金として保険医療機関又は保険薬局に支払うこととされています。一部負担金は、原則として、療養に要した費用の3割に相当する額です。
A 入院時食事療養費
入院期間中の食事に要した金額より標準負担額(原則として、一日当たり780円)を控除したもの(現物給付)を入院時食事療養費と言います。
B 特定療養費
特定療養費は、次の2つの場合に支給されます。
・大学病院等で、高度の医療を受けたとき、療養の給付に相当する額が現物給付されます。
・ 一般の医療機関で、自分が希望して特別の病室の提供を受けた場合等(これを選定療養と呼びます)、選定療養部分以外の部分の費用の原則7割相当額が現物給付されます。
C 療養費
被保険者の傷病に関しては、療養の給付(現物給付)等が行われることが原則ですが、これが何らかの事情により行えず、自費で支払った場合に、療養等に要した費用のうち原則7割を現金給付します。これを療養費と言います。
D 訪問看護療養費
在宅で主治医の指示のもと、訪問看護事業者より訪問看護を受けた場合、訪問看護に要した費用のうち、看者が負担する利用料を控除したものが現物給付されます。これを訪問看護療養費と言います。
E 移送費
被保険者が療養の給付等を受けるため医療機関に移送され、その費用を保険者が必要と認めた場合に支給される現金給付を移送費と言います。
F 傷病手当金
被保険者が傷病による療養のため労務不能となり、収入を得ることが出来なくなった場合に支給される現金給付を傷病手当金と言います。
G 埋葬料(埋葬費)
被保険者が死亡し、当該被保険者の収入により生活していた者であって埋葬を行う者に支給される現金給付を埋葬料と言います。
H 出産育児一時金
被保険者が出産したときに一時金として支給される現金給付を出産育児一時金と言います。
I 出産手当金
被保険者が出産の日前後の一定期間労働しないため、収入を得ることが出来なくなった場合に支給される現金給付を出産手当金と言います。
J 家族療養費
被扶養者が傷病のため療養を受けた場合に支給される療養の給付、入院時食事療養費、特定療養費(現物給付)や療養費(現金給付)を家族療養費と言います。
K 家族訪問看護療養費
被扶養者が傷病のため自宅で、指定訪問看護業者から訪問看護を受けた場合に支給される訪問看護療養費(現物給付)を家族訪問看護療養費と言います。
L 家族移送費
被扶養者が療養の給付等を受けるため医療機関に移送され、その費用を保険者が必要と認めた場合に支給される現金給付のことを家族移送費と言います。
M 家族埋葬料
被扶養者が死亡した場合に被保険者に支給される現金給付を家族埋葬料と言います。
N 家族出産育児一時金
被扶養者が出産したときに一時金として被保険者に支給される現金給付を家族出産育児一時金と言います。
O 高額療養費
被保険者が療養の給付、特定療養費の支給、療養費の支給、訪問看護療養費の支給を受けた場合に支払った一部負担金及び基本利用料や家族療養費の支給、家族訪問看護療養費の
支給を受けた場合に支払った自己負担額及び基本利用料が、著しく高額になったときに支給される現金給付を高額療養費と言います。
(5)保険料
保険料の計算方法は、社会保険料の決定方法をご参照下さい。
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